大菩薩の湯に流れている時間はゆったりと柔らかく体をほぐしてくれる
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塩山高アルカリ性温泉「大菩薩の湯」の温泉地質的特性。

甲府盆地温泉地質構造概念図

世界で最もユニークな大地、日本列島中央部は、太平洋プレート、フィリピン海プレート、北アメリカプレート、ユーラシアプレートの四つのプレートが犇めき合う、世界第一級の変動帯です。
実に様々な、多様性のある岩相と地質構造から、育まれる“ふるさと山梨”の泉源相の豊かさは、世界最高級であり、八の字形に折れ曲がった、南アルプス国立公園と秩父多摩国立公園、それに斜交する御坂山地のトライアングルは、世界最高の景観相をも生み出しています。塩山高アルカリ性温泉「大菩薩の湯」は、このような大地に湧出した大地の恵みです。
温泉湧出の水理地質的要素は、大局的に3つあります。第1は、温泉水になる為の豊かな地下の水であります。秩父多摩国立公園の大菩薩嶺や甲武信ヶ岳の山頂や山腹から地下にしみ込んだり、笛吹側や重川の本流や支流の沢や河床の割れ目から地価にしみ込んで温泉の源になる循環水を育むのです。温泉水の約99パーセントは循環水です。
第2は、熱源です。新しい火山地域は、浅い所に多くの熱源がありますが、「大菩薩の湯」を涵養する地帯には、新しい火山の熱源は、地質的にまったく期待できません。しかし、この地帯には、約1千万年昔に、深い所に、広範囲に亘って酸性のマグマが貫入し、ゆっくりと結晶した、酸性深成岩体としての花崗岩類が広く分布しています。
この岩体内の割れ目等には、地下深所からの若干の熱源の供給が期待されます。
第3は、温泉水の通路及び貯留帯としての断層や岩盤の裂け目、割れ目です。「大菩薩の湯」の位置する、裂石付近には、南北方向に走る「裂石断裂帯」や北北東-南南西~北東-南西走向の「重川断裂帯」が存在し、これ等の断裂温泉帯を中心にした花崗岩体中の開口割れ目で温泉が涵養されています。

大菩薩の湯の温泉特性

温泉は、温度、溶解成分、湧出量の三要素から、比較分析されます。
大菩薩の湯は、第1の要素である泉温は、「保養」「休養」「療養」に最適な「低温浴」から「高温浴」まで、泉質を変えることなく利用できる30.3度の「低温泉」です。
第2に療養として関心の高い泉質(溶解成分)の分類は、溶存している物質量によって決められ、温泉1kg中に1g未満であると単純温泉となります。物質量が1kg以上である場合、陰イオンとして塩素イオンを主成分とする温泉を塩化物泉、炭酸水素イオンを主成分とする温泉を炭酸水素塩泉、硫酸イオンを主成分とする温泉を硫酸塩泉とします。更に陽イオンの成分種類によりナトリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムなどの名がつけれられます。
「大菩薩の湯」は、蒸発残留物が141mg/kgというマイルドな単純温泉であります。しかし、極めて特徴的なのは、水素イオン濃度(ペーハー)が10.05という非常に高いアルカリ性を有しているということです。田中式温泉液性分類によるペーハー9.5以上の高アルカリ性温泉であるということです。
第3の要素である湧出量は、毎分100リットル以下の温泉や鉱泉が多い中で、実に毎分560リットル、日量800トンに達する最高級の自墳する天然温泉です。泉温、含有成分、湧出量を総合的に見た、「泉源相」としては、最高級の温泉の一つといえます。